友人が結婚することになった。
挙式は海外で行うから、参加するのは日本国内で行われる結婚披露宴。
生まれも育ちも大阪の新郎が選んだ会場は、東京だった。
友人を祝ってあげたい気持ちはある
20年近い付き合いがある数少ない友人なので、祝ってあげたい気持ちはある。
当日は会社の引っ越しに全員参加予定になっていたけど、結婚式の方が大切だからと既に断っている。間違っても、参加したくないというわけではない。
ここに何を書こうとも、心から祝福しているし、参加するという事実は変わらない。
でも、モヤモヤが止まらない。
結婚式に参加するだけで10万円
大阪在住の私が、東京で行われる結婚式に参加するためには、相当な費用がかかってしまう。
大阪~東京間の交通費
結婚式が行われるのは連休期間中なので、新幹線の自由席は現実的とはいえない。
新大阪駅~品川駅までの区間、のぞみN700系の指定席を利用したと仮定した場合の交通費は28,500円。(14,250円×往復)
自宅から新大阪駅までの移動、品川駅から式場までの移動を考えると、3万円以上の交通費がかかってしまう。
結婚式の会費
新郎から送られてきた招待状には会費:12,000円と記載されていた。
会費制の披露宴としては相場の範囲内なので、これは大阪で開催していても必ずかかってくる費用。友人を祝ってあげたいという気持ちに起因するものなので、会費に関して文句はない。
二次会の会費
新郎から送られてきた招待状には、二次会の参加可否確認が別途添付されていた。
- 会費金額不明
- 開始時刻不明
- 終了時刻不明
何もわからない状態で、参加する・しないだけを答えなければいけない状態。これに関しては新郎ないし、新婦の遠方から呼ぶ相手に対する考えがないなと素直に感じた。
宿泊費
二次会の開始時刻、終了時刻共にわからない時点で、二次会への参加=東京に宿泊せざるを得ない。宿泊予約サイトを見る限り、連休初日の宿泊代金は安くて1万円代、高ければ2万円以上かかってしまう。
祝儀相場の3万円
中には5万円包んだという人もいるけど、友人宛の祝儀の相場は3万円。こちらも会費同様に、祝ってあげたいという気持ちに起因するものなので文句はない。
親友だからこそモヤモヤが止まらない
新郎は20年以上の付き合いを続けている4人組の内の1人。もちろん、3人全員に招待状が届いているし、全員が参加する以外の選択肢は考えていない。
でも、心から納得できているわけではない。
- 流行のWEB招待状を使って、お決まりの定型文が各個人のLINE宛に送られてきただけ。
- 大阪で開催しなかった理由は「諸事情で」と書かれているだけ。
- 会費、会場に関する情報だけが記載されたHPのURLが送られてきただけ。
- 参加します・しませんと一言メッセージを記載するためのURLが送られてきただけ。
定型文が送られてきただけで、個人の言葉は何ひとつ送られてこない。
これに関しては、ハッキリ言って人間性を疑うレベルに失望している。
結婚式は自己満足だからこその気遣い
私はお金がなかったから、結婚式を挙げることができなかった。妻は気にしていないと言ってくれているけど、できることならウェディングドレスを着させてあげたかった。
立場上、式に参加はできないけど全額お祝いにしてあげるから、挙式すれば良いと言ってくれた人もいた。昔からの付き合いを使えば、会費制で全額を賄うことができた。
でも、やらなかった。
自己満足のために、周りの人達に余計な負担をかけるべきではないと思った。
自分たちの身の丈から大きく外れた挙式をするために、参加者からお金を集めて式を挙げるべきではないと思った。妻もそれを望まなかった。
もちろん、自己満足のために周りの人達に負担を強いることを否定するつもりはない。事実、私は大きすぎる負担だと思っていても、参加する。私自身はお祝いだからと割り切って参加してくれる人達の善意を受け入れることができなかっただけ。
負担を強いることになるということを理解していないのであれば、それはもう致命的な欠陥だから救いようがないけど、理解しているのであれば、数少ない親友に向けてぐらい定型文ではなく、せめて自分の言葉で参加して欲しいことを伝えるべき。と思ってならない。
あとがき
他の2人からは止められたけど、親友と呼べる数少ない友人だからこそ腹を割って本音で質問を投げた。
「諸々かけて東京にいって、直接お祝いする時間もないままに1泊して帰るくらいなら、大阪に戻ってから身内だけで盛大にお祝いしてあげたいけど、式を開く側としては来て欲しいが本音よな?」という質問に対して、友人の回答は「3人は特別な友達だから、できれば来て欲しい」だったから、参加はする。
心から祝福もしている。
でも、10万円あれば家族が1ヶ月の生活を送ることができる。お祝い毎でお金の額の話なんてしたくないけど、結婚すると必然的に夫婦間ではお金の話をせざるを得なくなってしまう。
妻が、ボーナスを切り崩しながらでも毎月の生活をやりくりしてくれていることくらい知っている。それでも妻は「行ってきて良いよ」と言ってくれている。
素直に「結婚おめでとう」と言える状況なら、妻に「ありがとう」と言えたのに。今は妻に「ごめんね」しか言えない。