小さな恋人(息子)にフラれて失恋した父親の物語

小さな恋人

仕事帰りに通るクリスマスカラーで染まった街。仲良さそうに手を繋いで歩くアベックの群れを避けるように歩きながら、心のなかではリア充達の手を「片っ端から指切ったしてやろうか」と思っているわけです。

なぜかって?

失恋したからに決まってんだろ。

言わせんな恥ずかしい。

小さな恋人

2年前の夏、わたしは彼と出会った。

初めてみた彼の印象は、自分勝手でうるさい人。彼はいつも、こちらの気持ちなんてお構いなし。自分に用事があれば声をかけてくる癖に、こちらから声をかけても無反応。

たった数回抱いただけの相手。こういうタイプだけは絶対に好きにならない。

そう思ってたのに…。

気がつけばわたしの頭の中は彼のことでいっぱいになっていた。

そんなふたりが結ばれるまでに時間はかからなかった。

出会ってから1ヶ月半、初めてふたりで夜を明かした。自由奔放な彼の性格に振り回されて、朝までに5~6回起こされたけど、腕の中で眠る彼の寝顔を見ているだけで、わたしは幸せだった。

出会ってから2年と5ヶ月の間、色々な場所でデートをした。彼の好みに合うようにって何度も手料理をご馳走した。相変わらず身勝手な彼の行動に振り回されることもあったけど、いつしか、彼と過ごす日々はわたしにとってかけがえのないものになっていた。

恋敵

恋敵

彼と出会った頃から、彼にはもうひとりの相手が居ることを薄々感じとっていた。

一緒にお風呂に入ったり、ご飯を作ってもらったり、洋服を着替えさせてもらったり、抱っこしてもらったり。ひとりでは何もできない彼だから、わたしがいない日に世話をしてくれる人がいることくらい、わたしにだってわかってた。

でも、頑張ればいつかきっと、わたしだけを想ってくれる。そう信じていた。

失恋

失恋

最近になって、彼は冷たくなった。

一緒に寝ようとすると「あっちいって」と言われるようになった。寝て起きて横にいると顔面に「あんぱんち」されるようになった。

彼が求めるのは恋敵だけ、わたしを求めてくれた彼はもういない。わたしの眼鏡と心はあんぱんちで粉々に砕け散ってしまった。

新たな出会い

新たな出会い

小さな恋人にフラれる少し前、2人目の小さな恋人と出会った。

おしゃぶりがほっぺたに食い込むくらいプニプニしていて可愛い人。

少し激くはあるものの、1人目の小さな恋人にフラれた傷を癒してくれる2人目の小さな恋人。「あんなやつのこと、オレが忘れさせてやるぜ」と言わんばかりにギャーギャー言いながら、視界の中を動き回るわたしを必死に目で追う姿はとても可愛くみえてしまう。

わたしったら恋多き乙女なのかしら。

本題

前振りが非常に長くなってしまったけど、本題。

寝ても覚めても「パパ!パパ!」言ってた上の子は、下の子が生まれてからママっ子になってしまった。その程度は軽いものではなく、深刻なパパ離れと言える状況。

深刻なパパ離れ

before

三十路さん
そろそろ、ねんねするよ~。
ゆうと君
パパ!いくよ!はやくきてね!

三十路さん
お風呂入るからお洋服脱いでね~。
ゆうと君
パパ!スーパーボールちょうだいしよね!ママ!ちっち!(オムツ脱がしての意)

after

三十路さん
そろそろ、ねんねするよ~。
ゆうと君
パパちゃうよ~。ママで~す。
三十路さん
久しぶりにパパと一緒に寝ようよ。お願い。
ゆうと君
パパ!あっち行って!ママとねんねする!

三十路さん
お風呂入るからお洋服脱いでね~。
ゆうと君
パパにしようかな~?ママにしようかな~?
三十路さん
(…パパでお願いします)
ゆうと君
ママで~す!

正直、悲しい

唯一、平日に子どもとふれ合える時間が「お風呂」と「寝かしつけ」だったのに、少し前は家に帰ると「お風呂にする?ねんねにする?それとも、お・も・ち・ゃ?」状態だったのに。最近は「マミー飲むよ?」っておねだりしてくるだけ。

唯一、ママがゆっくりできるはずだった時間なのに、役に立てず、負担を減らしてあげられず、色々とツラい。※負担をかける⇒顔色が曇る⇒機嫌が悪くなる含み

小さな恋人は身体目当て

小さな恋人の心を、恋敵から取り返そうと頑張った。

朝から2人でお出かけして、ミカン狩りやジャガイモ掘りなどを楽しみ、帰宅してからは彼の大好きなハンバーグとポテトを作ってあげた。

その日の夜。

あんぱんちで眼鏡が砕けた。

おしまい。(実話

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