転勤を拒否したら解雇ではなく長期出張の辞令が下りた

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会社から言い渡された大阪から東京への転勤。二世帯住宅で妻・子供・実母と生活を送る身としては二つ返事で受けられるものではありませんでした。

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転勤を受けた場合に起こり得る家庭内の問題、転勤を断った場合に起こり得る仕事上の問題などサラリーマンを始めてから最も悩み続けた1ヶ月でしたが、最終的には「転勤を断る」という結論に至りました。

転勤を断ることで起こり得る問題

仕事を解雇される可能性がある

仕事を解雇される可能性がある

日本は雇われる側に有利(正社員を簡単には解雇できない)な国だが、転勤を拒否した社員を解雇した行為は不当であるとして争われた裁判で、最高裁が「解雇は有効」という判例が下されたこともあります。

 

就業規則(異動の条項)や特別な事情(育児や介護)がある場合など状況によって異なりますが「転勤を断るということは、解雇される可能性がある」ということは覚悟しました。

 

解雇されると生活が苦しくなる

解雇されると生活が苦しくなる

失業保険や解雇予告手当(転勤を拒否する行為が自己の責めに帰すべき重大な理由に該当しない解雇とみなされるかどうか等により状況は様々)などを受け取れた場合でも日々の生活が楽になることはありません。次の仕事探しにかかる費用なども考えると生活が苦しくなることは覚悟しました。

解雇予告手当とは?

解雇予告手当とは「会社側が従業員を解雇する場合、離職日の30日以上前に予告することが決まりですが、事前に告知することが難しい場合は最大30日分の給料を解雇予告手当として支払わねばならない」と労働基準法第20条に記載されているものです。

※懲戒解雇であれば、解雇予告手当を支払う必要がないという法律上の根拠があるわけではありませんが、支払われないケースも存在します。

 

30歳を過ぎてからの転職は難しい

30歳を過ぎてからの転職は難しい

人脈などを使わず転職サイト等を利用して次の仕事を探すことは、歳を取る毎に難しくなっていきます。新卒は学歴とやる気、中途採用は即戦力なんて言葉を使って転職を促すサイトも存在しますが、決して容易なものではありません。

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「家族のために1日も早く仕事を見つけなければならない」と焦る状況下では判断力も低下してしまいます。運良く次の仕事が見つかったしても給与面仕事面全てにおいて前職よりも条件が悪かったけど、働かなければならない。という状況は覚悟しました。

 

転勤拒否を認められたとしても

転勤の拒否が認められた上で解雇されることにもならなかったとしても、会社内での立場が著しく悪くなってしまう可能性はあります。出世や昇給、待遇など様々な面で起こり得るリスクは覚悟しました。

 

会社に転勤を断る意思を伝える

会社に転勤を断る意思を伝える

転勤を断る理由をこじつけるのは簡単でしたが、下手な策は身を滅ぼすのでシンプルに「大阪に1歳の子供と妻を置いて、東京に転勤することはできません」と伝えました。会社からの辞令を断るからには「退職という形」も覚悟しているということも伝えました。

 

 

会社からの提案と歩み寄り

会社からの提案と歩み寄り

断る意思を伝えたからの1ヶ月間、何度も会議室に呼ばれ何度も話し合いを重ねました。

 

転勤中の帰省回数を増やす

初めの頃は東京から大阪に帰れる回数(交通費支給)が争点となり、毎月1度の帰省から毎月2度の帰省になり、最終的には毎週末の帰省という提案が返ってきました。

 

例えそれがポーズであったとしても「退職されるのは困る」という会社の意思表示は嬉しく、会社からの歩み寄りを強く感じたので、毎週末の帰省を基準に話を進めることになりました。

 

転勤から出張へ

その後、上司から「週2~4日程度の出張という形でお願いできないか?(宿泊出張含む)」という話をされました。月曜日の朝に新幹線で東京へ行き、金曜日の夜に新幹線で大阪に帰る生活を覚悟していたこともあり、この時点で「了解しました」と受ける回答をしました。

 

上司に感謝

後から分かった話ですが、既存の業務(大阪での業務)も円滑に回さなければならないという理由をもって社長に掛け合ってくれたようでした。

 

お世辞にも仕事ができるとは言えない私の「家族との時間をこれ以上減らしたくない」という要望を最大限まで受け入れてくれる形へともっていってくれた上司には感謝しています。

 

雇われ側が会社に意見する行為の是非

雇われ側が会社に意見する行為の是非

雇われ側であるサラリーマンは「働いてやっているではなく、賃金を貰って働かせて貰っている」という表現の方が正しいと思います。その為、基本的には会社の決定事項に従うより他ありません。

 

職場によっては「上司にイチゴは青いと言われれば、イチゴは青いと思わなければならない」なんて所もあるでしょう。実際、私はそういう世界で生きてきたので何度も見てきました。

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しかしながら、退職を覚悟してでも守りたいものがあるのなら「一歩前に出て意思を伝える」ことが求められる時もあります。瞬間的に降って湧いた感情ではなく、考えた末に出した結論が会社の意に反するものであったのならば、伝えることも必要です。

 

転勤を断ることは決して褒められたものではない

「家族のために」と言えば少し聞こえはいいかも知れませんが、転職を断るという行為は決して褒められたものではありません。私の勤め先が上との距離が近い中小企業だったからこそ通った要求だったとも思います。

あくまでも運良く交渉が成功した稀なケースといえるでしょうし、もしかすると今頃次の仕事を探さなければならなくなった。という記事を書いていたかも知れません。

 

間違っても「転勤を断った方が偉い」とか「転勤は断るべきだ」なんて記事ではありません。一歩間違えれば職を失う行為であることを理解して、色々な可能性をしっかりと考えた上で、家族とも相談しながら決めるべき事項だと言えます。

 

転職を断るのは精神的に凄く疲れる

転勤を拒否するのは疲れる

転職を断るのは非常に疲れました。肉体的にというよりは精神的にどんどん追いやられていくような心境になりました。他の誰でもない自分に追い込まれていく様は今思い返しても不思議な状況ですが、何度も体調を崩したりイライラしたり…。とにかく疲れた。

 

ホテル暮らしと言われれば受け入れますし、マンスリー契約と言われても受け入れます。長期出張の場合は出張費が出ないなどと屁理屈をこねられたら、もう1度喧嘩するかも知れませんが、家族最優先という社員の意見を汲んでくれた会社に対して個人都合の要求を出すことは無いと思います。

 

家族とも相談しながら決めるべきなんて言っておきながら、仕事の受注が決まるまでは妻に話さずにきてしまいましたが、受注と転勤(出張)の条件が同じ時期に決まったので一部事後報告にはなりましたが伝えました。

 

どうなったのかは、また別のお話。