『残業する人が偉い』を22年続けた会社の末路

ウチの会社は創業当初から残業代が出ない。

  • 裁量労働制だから
  • みなし残業制だから
  • 年俸制だから

時代ごとに異なる「限りなく黒に近いグレー(ブラックではない)」と呼ばれた制度を引き合いに出しては、従業員からの残業代に対する問いかけをかわしてきた。酷い時には「残業代の代わりに決算賞与を支払う」と言われたこともあった。※勿論、決算賞与なるものは支払われなかった

 

最後に会社と話をしたのは3年ほど前。軽くお酒の絡んだ席ではあったものの、社長から「残業代を払っても良いが、払うと潰れる」と言われた時点で会社側に期待することをやめた。

 

残業代がでない会社の歪んだ評価基準

大きな歪み

残業代がでる会社で評価される人

従業員側の「残業したい、したくない」という感情論を抜きにして、賃金や利益などお金に目を向けた場合、残業は大きく2つに分けることができる。

  • 利益を生む残業
  • 利益を生まない残業

会社にとって「従業員の残業は、会社の利益を生む行為」でなければいけない。

 

仕事上のミスや能力上の問題を理由に発生する残業は会社にとって不利益な物となる。そうなると、必然的に会社は効率よく仕事をこなす人材を評価するようになり、評価を受けた従業員は役職や給料アップの恩恵を受けることになる。

 

残業代がでない会社で評価される人

残業代がでない会社では「従業員は何時間働かせても、会社が支払う給料は同じ」という構図ができてしまう。その結果、会社は管理することを辞めて「1分でも長く会社に居た従業員の方が”頑張っている”」という感情論に走ってしまう。

 

ウチの会社の前会長が従業員一同に言い放った「社員は奴隷」という言葉に全て集約されている。

 

残業代を払わない会社の末路

ゲームオーバー

22年間、社員を奴隷扱いしてきた会社が辿ってきた道はある意味「当然」とも思える物だった。

 

サービス残業が慢性化する

「利益による評価ではなく、労働時間による評価」を会社から押しつけられた従業員。

会社に近い立場(役職)の人ほど会社の意見に従うため、上司が残業しているから帰りにくいという雰囲気が強くなっていく。サービス残業が当たり前という雰囲気が強くなると、早く帰る同僚に向かって「早く帰れて羨ましいねぇ」と嫌みを言う従業員まで出てきてしまう。

 

従業員が2つに割れる

それでも、効率良く与えられた仕事+α を終わらせて早く帰ろうと努力する人は一定数残る。

仕事+α まで終わらせているにも関わらず、会社の方針だからという後ろ盾を携えた上司や同僚からの口撃が止むことはない。その結果、付き合いでサービス残業する派としない派で従業員は2つに割れてしまう。

 

会社は誰も評価しなくなる

決算の日が近くなると、突然、手のひらを返したかのように「残業している社員は頑張っている」という感情論一辺倒が緩和される期間がやってくる。

昇給やボーナス、決算賞与など社員に対して追加の賃金を支払うことを嫌がる会社は、残業の少ない社員には「残業が少ない」と説明し、残業が多い社員には「売上が少ない」と説明。明確な評価軸を失った社員は誰1人として正当な評価を受けられなくなる。

 

できる人から順に辞めていく

残業代がでる会社であれば評価されるべき人(効率よく仕事をこなせる人材)から順に、退職していってしまう。

中小企業の7割が人手不足を実感していると言われるほど売り手市場の就職・転職業界。会社に正当な評価を求めるという働き手にとって当たり前の感情に従うことができた人から順に、好待遇の会社に転職していってしまう。

参考資料:中小企業の約7割が人手不足を実感、企業担当が今から取るべき対策とは

 

外注頼りの限界で事業が破綻する

安い賃金で残業代がでない会社に新しい人材がやってくる訳もなく、辞めていった人の補填は外注に頼るしか方法がなくなってしまう。

人手不足で外注の単価も年々高くなっていて、管理費用を除けば中間マージンなんてものは殆ど残らない。既存客を離さないためだけの応急処置では業務のノウハウが社内に蓄積することもなく、事業は頭打ち。破綻へと向かうことになる。

参考資料:残業減らしで外注急増、大企業社員の劣化が止まらない

 

会社の末路に立ち会わないために

ウチの会社で起こったことの全てを時系列で書きました。ウチの会社は「外注頼りの限界で事業が破綻する」というステージにいます。現状を打開するべく新入社員を雇用しましたが、ウチみたいな会社にロクな人材が来てくれる訳もなく、人件費だけが年数百万円増えた。という状況です。

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