ここ数年、リノベーション物件という言葉を良く耳にするようになりました。
春から新生活を迎える人の中には、賃貸仲介会社に出向いた際「こちらの物件はフルリノベーションなんです。」なんて担当者さんに言われて凄く綺麗な内装の物件を紹介された方も居るかと思います。
今回は、私がフルリノベーション物件に2年間住んだ経験+賃貸仲介業界で10年以上勤めている顧客様から貰った情報を基に、リノベーション物件を選んで本当に大丈夫?という疑問を解決していきたいと思います。
リノベーション物件って何?
前の入居者が退去した場合、次の入居者様が気持ち良く生活する事が出来るように、原状回復という作業を行います。ここで言う原状回復とは入居者が住む前の状態(新築同様の状態)を復旧の上限として、出来る限り元の状態に戻すことを表します。
賃貸マンションは築年数が経った部屋への入居者が減少傾向にあり、通常の原状回復では客付けする事が難しくなっています。その為、部屋の原状回復を行う際、通常よりも費用をかけて内装や水回りを最新の物と入れ替える事で、大家様の空室を無くしたいというニーズと入居者様の綺麗な部屋に住みたいというニーズをマッチングさせる為に行う大幅な改修工事を表す事をリノベーションと言います。
そして、大幅な改修作業を行った物件をリノベーション物件と呼びます。
(※各会社様毎に、リノベーションの定義は様々ですが、弊社ではこの様な認識で仕事をさせていただいております。)
顧客様談
記事内における注意点
以下に記載する内容は、私がリノベーション物件に住んでから2年間で起こった事件(過去記事にも記載済み)を元に、書き表した物です。
全てのリノベーション物件を否定する物では無く、入居の判断は各個人の意志による物と言う事をご理解ください。
リノベーションという言葉に騙されてませんか?
内覧に行った際、「外観は少し古いけど・・・、部屋が凄く綺麗!!」そんな事を思ったアナタは過去の私同様、後悔予備軍です。
リノベーションと言うのは上記に記載した通り、部屋単位で内装や水回りを綺麗にした物です。入居者が退去した場合にしかリノベーションは行わない為、他の部屋は基本的に古いままです。
他の部屋は基本的に古いままです。
この事を頭に置いて各注意点をご覧下さい。
騒音によるトラブル
賃貸に限った事ではありませんが、生きて行く上で重要な睡眠。
ご近所とのトラブルで一番多いのは睡眠の妨げになるような騒音によるトラブルです。
三十路男の実体験:近隣部屋の騒音
私が入居する部屋は最上階。私の部屋に直接的に面しているのは下階の部屋だけです。
部屋が下だけなら騒音によるトラブルに巻き込まれる事は無いだろうと入居を決めた部屋ですが、この状態で私は騒音被害に悩まされています。
状況を説明すると、下の部屋はマンションの築年数20数年前からリノベーションは行われておらず、古いままです。その為、ドアのスライド部分の劣化からドアを開け閉めするだけで「ガリガリガリガリ」擦れる音が部屋に上がってきます。
大袈裟な話では無く、地面に耳を付けて耳を澄ませば下の部屋の会話も聞くことが出来るでしょう。(※私はしていません)
幸い下に住む住人は405号室も併せて借りている為、1週間に2~3日程度しか下の部屋に居ない事+夜22時を回ってドアを開け閉めする事が殆ど無い事から、睡眠の妨げになる事は無く、苦情を言いに行く事はしておりません。
これが両隣、上下に部屋がある物件を選んでいたら、恐らく即退去していたと思います。
壁紙張り替えは臭い物に蓋?
壁紙を貼り替える際、施工業者によっては元々の壁紙を剥がすだけで何の手入れもせず、新しい壁紙を上から貼り直す業者が居ます。
その為、元々壁に生息していたカビがジワジワと新しい壁紙を浸食していき、最終的には新しい壁紙一面にカビが出て来る事があります。
三十路男の実体験:壁から染み出る無数のカビ
入居して数ヶ月が経った頃、洗面台で顔を洗っていると黒い線が壁の縁を伝っているのが目に入った。リノベーション済みの新しい部屋でカビが沸いてる可能性など考える訳が無く「なんか汚したかな?」程度にしか考えて居ませんでした。
そこから数週間後、ドンドン広がる黒い線に嫌気がさし、管理会社に連絡すると「加湿器とか付けてるんでは無いですか?そうゆうのは困ります」と言う様な明らかにコチラが悪いと言い足そうな反応。我慢ならず業者を呼びつけて壁紙を剥がすと壁一面のカビ・カビ・カビ。
※実際の写真はあまりに気持ち悪いので三十路男画伯の過去絵で対応。
壁紙一面を張り替え+防カビ剤で復旧して貰い事無きを得ました。
リノベーション物件で絶対に確認するべき3大注意点
注意点1:防音対策への気配り
綺麗なのは自分の部屋だけという可能性を考慮に入れて、内覧の際に必ず近隣からの生活音の有無などを確認してください。
生活を始めてから近所が五月蠅いので・・・。と管理会社に連絡を入れても全部屋共通で「マンション内で騒音が五月蠅いと言う苦情が出ています。気を付けて下さい」という手紙が1枚入るだけです。
将来的に騒音被害に悩まされない為に、住む前からしっかりと確認が必要です。
注意点2:防犯対策への気配り
古いマンションは防犯への意識が薄く、外から簡単に侵入出来る経路が確保されている物が多く存在します。事実、私の部屋は最上階であるにも関わらずベランダへの侵入が容易に行える為、実費で防犯ネットと返しの付いた針の様な物を設置するハメになりました。
自分の身・家族の身を守る為にも、部屋の綺麗さに惑わされず防犯面に目を光らせましょう。
注意点3:目に見えるだけが全てでは無い
リノベーション物件=元は通常の原状回復では客付けが難しい部屋という事を頭の片隅に置くことで、通常の内覧では気にしなかった部分が見えてきます。
- キッチンにガス管が通っていない
- お湯が出なくなる
- 天井からの雨漏り×4
- 謎の来訪者
- 不審者が妻の帰宅時に部屋へ
過去記事に書いた通り2年間で様々な事件が私の周りで起こりました。
守る対象が妻だけであった為、なんとか全て無事に乗り切る事が出来ましたが、親・子供が居るご家庭であれば、守りきれなかった可能性もあります。
リノベーション賃貸物件の甘い罠!まとめ
リノベーション物件は確かに見た目綺麗です。
しかし、手を入れるのは自分の部屋の内部だけ。周りの部屋は古いままという事を念頭に置いて、見た目の綺麗さに惑わされず通常の物件と同じ目線でしっかりと内覧してください。
女性の化粧を取ったら・・・。という男性なら誰しもが経験ある大事件を思いだし、自分の家族の身をしっかりと守れる様に行動してください。
最後に、顧客様から戴いた情報を基に作成した正しい物件の選び方、賃貸サイトの選び方などを纏めておきますので、賃貸をお探しの方は是非参考にして下さい。
※後悔しないリノベーション業者の探し方を追加しました。
正しい物件の選び方
①少ない選択肢の中から消去法で選ぶのはNG
②事前にHPから問合わせを行い内覧の予約を取り付ける
③内覧後【夜】の状況を近隣まで確認しに行く
正しい賃貸サイトの選び方
①物件掲載数が多いサイトを選ぶ
②HPの物件詳細画面から問合わせ可能なサイトを選ぶ
③問合わせから返信までの対応が早いサイトを選ぶ
条件を満たしているオススメサイト
『登録して待つだけ』の物件探し。最近賃貸ポータル業界で話題の【お部屋さがされサイト】であるiettyは個人的にイチオシ。オススメする理由は『希望条件を登録して待つだけで、アナタの条件に一致する物件があれば紹介してくれる』からです。
「引っ越しはしたいけど探している時間が無い。」そんな悩みを解決してくれるサイトです。
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[koushiki]価格.comの賃貸物件”一括検索”サイト「スマイティ」
賃貸業者さんを宣伝する係では無いのでこれくらいにしておきますが、紹介したサイトは本当にオススメ出来る物です。
『問合わせ=契約しないとダメ』という訳では無く、『問合わせてみないと解らない情報』も多々あります。正直少し面倒ではありますが、良い家に住む為に必要な作業と割り切って、気になる物件の内覧予約を取り付けましょう。
引っ越し費用を最小限に抑える方法
これはもう間違い無く、引っ越し費用の比較サイトを利用する事をオススメします。
元々住んでいたマンションからリノベーション物件に引っ越した際は、自分で1社1社電話して値段交渉をしていきましたが、これが激しく面倒臭い。「○○さんがXX円なのですが」なんて伝えても一部信用して貰えないケースまでありました。
引っ越し料金比較サイトは数多くありますが、個人情報の取り扱い等に不安が残るのも事実。その為、名実ともに賃貸業のTOPであるHom’esが提供しているサービスをお勧めします。
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宅配トランクルームがオススメ
引っ越し時に必要の無い荷物をトランクルームに預けることは一般的ですが、最近は『宅配してくれる』トランクルームが人気。配送業者大手のクロネコヤマトが一括管理している宅トラは預けた荷物を連絡一本で自宅まで配送してくれるサービスです。
レンタル倉庫の相場が1~3万円程度なのに対し、4,980円から利用することが出来るので、私も二世帯住宅への引っ越し時から継続して利用しています。
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後悔しないリノベーション業者の探し方
リノベーションを行っている業者は無数にありますが、家を一から建てる時ほど『明確な基準価格が存在しない』というのが現状です。その為、A社・B社の見積もり額が数十万円単位で食い違うという事が本当に良く起こります。その為、リノベーションを考えている方は『工事費用で損しない為に、複数業者からの見積もりが必須』になる訳ですが、1件ずつ見積もり依頼を出すのは本当に大変です。
しかしながら、今は便利な時代になったのでWEB上から最短1分で500社からの見積もりを一括で取得する事が出来ます。500社あれば上下で50~100万近い差額が出るので驚きますが、知らない人が殆どです。(※あくまでも『見積もり』なので当然無料。)
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