子供が生まれて間もない頃は「自分の時間全てを子供とのコミュニケーションに当てることができれば…」なんてことを考えたりもしましたが、家族としての生活を送る上で欠かすことのできない仕事や家のことなどを蔑ろにする訳にはいきません。
子育て開始から半年程が経った頃には「仕事の時間も間接的に子供のためになる時間」だと思えるようになりました。そう思えるようになって初めて、仕事は仕事で全力。子育ては子育てで全力。限られた時間を有意義に子供と過ごせるようになりました。
それから3年。子供が2人になって思うのは「やっぱり、親子で過ごす時間が足りない」ということ。平日は1日の大半を職場で過ごし、帰宅後に子供と関われる時間は長くても2時間程度。お風呂に入れて、寝かしつけることしかできません。
遊んで欲しいときだけパパっ子になる子供達それぞれと1対1で遊んであげられる時間はほとんどなくて、親子のコミュニケーション不足を感じていました。
そんな中で突然決まった年末年始の10連休。日頃のコミュニケーション不足を解消するべく子供達と過ごした10日間。子供達(特に下の子:1歳2ヶ月)の成長が加速しました。
ゆっくりとマイペースに成長してきた下の子
子供の成長は個性なので過度な心配はしていませんが、下の子はゆっくりとマイペースに成長してきました。
無口な性格?でほとんど喋らない
大きな声を発するのは泣くときだけ。それはもう全力で泣き叫びますが、泣くとき以外は小さな声で喃語 or 2音節を発する程度。言葉を発する頻度も高くはなくて、食後の機嫌が良い時だけ。
所狭しと暴れ回る上の子(3歳)に、良い様にやられてばかりの無口な子供でした。
恥ずかしがり屋な性格?で上手に笑えない
声を出して笑うのは食後の機嫌が良い時間に、こそばし遊びをするときくらい。一緒に遊んでいると微笑むことはあるけど、その顔は愛想笑いを超越していて、笑っているのか、顔が強ばっているのかわからないレベル。
そんな愛らしい表情を返してくれる子供でした。
のんびりした性格?で動きは必要最低限
移動手段はハイハイで、移動するのは遊んで欲しいなどの目的があるときだけ。抱っこして欲しいときは泣いて親を呼び寄せて、両手を掲げて「抱っこして欲しい」のポーズをとるだけ。基本的にはその場に座り込んで黙々とパパの体やおもちゃで遊んでばかり。
つかまり立ち → つたい歩きの成長はあっと言う間だったけど、慣れない靴が気になるらしく、両手を引いてのあんよは全然できない(する気がない)。
良い意味で、上の子には無かった赤ちゃんらしさを感じさせてくれる子供でした。
親子のコミュニケーションで劇的ビフォーアフター
新年会にも忘年会にも参加することなく、10連休は毎日家族で過ごしました。
料理や洗濯、買い物などを分担することで、パパかママのどちらか1人は必ず子供達と一緒。パパが下の子を連れ出したり、ママが上の子を連れ出したりしながら、子供と1対1になる時間もたくさん作りました。
その結果、下の子は劇的な成長を遂げました。
よく喋るようになった
数日前に会った祖母に「よく喋るようになったな」と驚かれるくらい、1日目よりも2日目、2日目よりも3日目、下の子は凄い早さで言葉を覚えていった。
- 「ん?」(なぜか、顎を突き出しながら)
- 「あれ?」(おもちゃを隠しながら)
- 「ポイ!」(おもちゃを放り投げながら)
この3つが特にお気に入りで、名前を呼ぶと「ん?」と顎を突き出して、おもちゃを手渡すと隠したつもりなのか「あれ?」と言いながらこちらを見つめる。隠したつもりのおもちゃを見つけて驚いたふりをすると満足して、パパの手から取り上げて「ポイ!」と放り投げる。
10日前まで喃語+2音節しか話せなかったのに、ひとり遊びのときですら、おもちゃに向かって何かを喋りまくっている。たったの10日間で(うるさいくらい)良く喋るようになりました。
指さしができるようになった
何かを必死で伝えようと喋っても、望んだ結果にならないと気付いた子供は、自分の欲しい物を指さしながら喋るようになった。
ご飯のときなんかは本当にうるさくて、自分の分を食べ終わるまでは「オレの分をよこせ」と言わんばかりに喋り、自分の分が無くなったら「お前の分もよこせ」と言わんばかりに喋りまくり。
突然始まった下の子からの強い圧力に耐えきれず、上の子が自分のオヤツをちぎってわけてあげるシーンまで見ることができました。
上手に笑えるようになった
機嫌の良いときにこそばすことでしか声を出して笑って(恐らくこそばいだけ)はくれなかった子供でしたが、言葉という新たな表現方法を覚えたことで喜びや嬉しさを上手に表現できるようになった。
今でも顔が引きつったような笑い方をするときがあるけど、周りから与えられた”楽しい”に対して、満面の笑みを返してくれるようになりました。
怒りを表現できるようになった
遊びたいときはパパっ子なのに、眠くなってくるとママっ子になる子供達。毎晩繰り返されるママ争奪戦。そして、下の子の敗北&号泣。
そんな見慣れた光景を眺めていた連休5日目、下の子の行動に劇的な変化がうまれた。
- 上の子の髪の毛をひっぱる
- 上の子を叩く
- 怒っているぞ!とまくしたてる
ただただ、黙ってママを取られていた下の子は、上の子に対して怒りの感情を表現するようになった。所詮は1歳児の攻撃と意に介さない(反撃しない)3歳児の姿もさることながら、昨日とは別人のような姿を見せてくれた下の子に笑いがとまりませんでした。
手を繋いであんよができるようになった
車なしで子供と過ごす生活は遠くにいけない代わりに、気持ちに余裕をもって近場で遊んであげることができます。ポッカリと空いた駐車場でシャボン玉や自転車の練習をする時間も多くなりました。
おもちゃが散らかった部屋の中でもない、でこぼこして足場の悪い公園でもない、綺麗に舗装された駐車場で歩かせてみると…あら不思議。見たことない満面の笑みで「やぁぁぁぁ」「うわぁぁぁ」って叫びながら、何往復も歩いてくれました。
まだまだ片手だけでは上手に歩けないけど、その日から抱っこしようと両手を差し出すと、人差し指だけを握り返してきて「歩かせろ」とアピールしてくるまでに成長してくれました。
パパの顔遊びにも変化があった
完全に余談ですが、言葉や動きの幅が広がった子供はパパの顔遊びの質も変化しました。
今まではメガネをベタベタ触ってお終いだったのに、お風呂用のおもちゃ(濡らすと壁にくっつくおもちゃ)の遊び方を教えてしまったばっかりに、メガネのレンズに「ぺたん」と言いながらおもちゃをくっつけてくるようになりました。
これがまた綺麗にくっつくので、お風呂のなかではいつも視界ゼロです…。
相乗効果で成長する兄弟
子供達と10日間ベッタリ過ごす中で、成長する子供達の姿をみては何度も嬉しくて泣いてしまいましたが、そんな中でも特に嬉しかったできごとがありました。
上の子はジャイアン気質が強いので、自分のおもちゃは自分の物。下の子のおもちゃも自分の物。上の子が他のおもちゃで夢中になっている隙に、下の子が上の子のおもちゃを触ると凄い早さで駆け寄って来て、何も言わずにおもちゃを奪い去っていきます。
下の子にとっては「お兄ちゃんはおもちゃを取っていく人」だったでしょう。
そんな姿を見かねた私は、下の子に「ちょうだい」と「どうぞ」を教えてあげよう。と提案しました。
上の子に自分が教えられているということを気付かれないように注意しながら、何度も何度も、繰り返し繰り返し「ちょうだい」と「どうぞ」の言葉と行動を一致させるように仕向けました。
あの手この手で上の子の機嫌をとりながら、遂に迎えた「どうぞ」の言葉と「どうぞ」の行動が一致した瞬間。お兄ちゃんからおもちゃを受け取った下の子の顔を見ると、そこには他のどれとも全く異なる笑顔がありました。
子供達がどんな気持ちだったのか?なんて親の私にはわからないけど、言葉と行動を一致させることができた上の子の頑張りと、その頑張りを受けた下の子の笑顔がまぶしすぎて「お兄ちゃんがおもちゃを貸してくれたから、本当に嬉しいねんて」と言いながら、ボロボロと泣いてしまいました。
親子のコミュニケーションで家族は育つ
親子のコミュニケーションで育つのは子供だけではありません。子供と接することでしか学ぶことができない経験を基に、親も成長することができます。
親子が密なコミュニケーションをとるためには、夫婦の協力が必要不可欠。役割分担することでお互いに感謝の気持ちが出てきて、必然的に夫婦仲も良くなっていきます。
小さな子供がいる家庭で「自分は子育てに参加していないけど、夫婦仲は良い」という人は、仲が良いと勘違いしているだけ or 相手が我慢してくれているだけです。
子育てと夫婦関係は切っても切れない関係にあるものだからこそ、これからも親子のコミュニケーションを通じて、家族みんなが成長していければ良いなと思います。
あとがき
10日前まで喜怒哀楽の「哀」しか表現できなかった子供が、親子のコミュニケーションを通じて激しいほどの喜・怒・哀・楽を表現できるまでに成長してくれました。
自分の行動によって湧き上がってくる「喜」の感情表現だけは、未だに悪巧みしている悪役の笑顔みたいになるけど、それはそれでまた可愛い。親としてはずっと悪い笑顔でいて欲しいくらい可愛い。そんな子供の成長に寄り添えた10日間でした。
今年のGWは10連休(らしい)ので、そこまでは仕事と子育てのバランスを保つことに注力しながら、数々の夫婦喧嘩を経て10連休を迎えられたら良いなと思います。