当時は認めたくない気持ちが強くて言えなかったけど、1歳半検診で息子は「言葉の発達が人よりも少し遅い」と診断された。
保育園には通っていなくて、同世代の子供と接する機会も少ない。言葉の発達を比較する対象がいない事実と、先生に言われた現実が相まって、”もしかして”と”きっと大丈夫”が頭のなかでごちゃ混ぜになっていた。
目次
”言葉が遅い”の判断基準
息子は絵を使った2つの診断結果を踏まえて、言葉が遅いと判断された。
人や物の名前が言えるかどうか?
絵に書かれた人や物を指さしながら、先生が子供に「これは何かな?」と聞く診断。
1歳半時点の息子が普段から安定して言ってくれるのは「パパ」「ママ」だけ。すこぶる調子がよければ「わんわん」「にゃんにゃん」「アンパンマン」が出てくるていど。
案の定、殆どまともに答えることはできなかった。
指さしできるかどうか?
先生の「〇〇はどこかな?」という質問に対して、子供が指をさして伝えるという診断。
名詞の形では出ない言葉でも、名前を言われれば指をさすことができる息子。これは簡単と思いきや、親以外から発せられる言葉に上手く対応することができずに終わってしまった。
”もしかして”を考えない日はなかった
生活年齢から予測される、発語や言葉を理解する能力が平均よりも遅れることを意味する言語発達遅滞と調べると、真っ先に該当するのは知的障害や自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害など発達障害の可能性。
ダメだとわかっていても、可能性を知ってしまうと人は変わってしまう。子供がワガママを言って泣くという行動ひとつ取ってみても、変な勘ぐりをしてしまうようになった。
”もしかして”を考えなかった日はない。
”きっと大丈夫”と毎日言い聞かせてきた
診断を受けてからというもの、家に帰ると真っ先に”子供の1日”を確認するようになった。
- 今日はどんなことがあったのか?
- 今日は何か新しい言葉を話したか?
- 今日は何か新しいことを覚えたか?
- 今日は何か新しいことをできたか?
来る日も来る日も”きっと大丈夫”と自分に言い聞かせる根拠を見つけるため、そう多くは得られない「今日は?」の成果を探しては、心の支えにと積み重ねていった。
きっと大丈夫が報われた日
FaceBookには何気ない子供の成長として時間をズラしたりしながら動画をアップしていたけど、”きっと大丈夫”が報われた日は夫婦で泣いた。
今でも動画を見ると嬉しくて涙がでる。
指さしができた/6月5日(1歳11ヶ月)
「息子が好きなものなら、きっと覚えてくれる」と信じて購入したアンパンマンの知育絵本。指さしすると鳴き声やサイレンの音が鳴るというアイデアが的中。
息子は覚醒した。
たくさんの名前が言えた/8月3日(2歳1ヶ月)
野菜や果物の名前を教えるために、スーパーではいつもママと別行動。カートに乗せた子供と一緒にパパは青果コーナーをグルグル。動物の名前を覚えて貰おうと3週連続違う動物園に行ってみたり。
子供に無理強いすることなく続けられる努力の甲斐あってか、息子は20種類以上の単語を言えるようになった。
言葉が遅いと言われた8ヶ月後
2歳目前で指さしができるようになってからは本当に早かった。
2語文が言えるようになった
息子が知っている単語だけで、2語文を作れる状況に導いてあげると、スラっと2語文が出てくるようになった。
三十路男流!2語文への導き方
悩んでいるときは片方のジュースをアピールしながら。
ミカン?
リンゴ?
悩む暇なくパパと言ってもらえることを信じて。(ママが選ばれるような質問は極力控える)
パパと?
ママと?
3語文も言えるようになった
息子の言葉に何か1語を付け足しながら返事することを続けていく内に、気がつけば3語文も言えるようになった。
三十路男流!3語文への導き方
自分の名前を足して3語文に。
ヤッター!
会話の中で単語を足して3語文に。
あんよで散歩?
ベビーカーで散歩?
ママと一緒に行ったの?
気づけば会話?できるようになった
毎日のお風呂で必ず聞く質問。
ゆうと、いっぱいおしゃべりできて凄いね!
毎日の寝かしつけで必ず聞く質問。
今でも言葉が上手にでてこないときは多いけど…
昔は自分が思うことを言葉で表現できないと、悲しそうな顔をしていた息子。
未だに言葉が上手くでてこないときは多いけど、最近は上手に話せない隠しの笑みを浮かべながら、体当たりしてくるようになってくれた。
目に見える色々な形で成長を示してくれる息子に、パパはいつでもメロメロです。
大切なのは子供に寄り添い続けること
子供ができないことを絶対に責めないようにした。
子供ができることを当たり前と思わず褒め続けた。
新しい言葉を引き出すために最適な環境を意識して作るようにした。
子供が何か新しい言葉を覚えてくれたら全力で褒めた。
忘れてしまわないように動画で映して子供自身に何度も見せた。
当の子供にしてみれば、ありがた迷惑な話だったかも知れないけど、子供に寄り添いながら「パパとママは、アナタの言葉をいつだって聞いているよ。アナタの行動をいつだって私は見守っているよ。」ということを伝え続けた。
子供の言葉の発達が遅くて悩んでいる人へ
もし、子供の言葉の発達が遅くて悩んでいる人が解決策を求めて読んでいたのだとすれば、ごめんなさい。
私自身が約8ヶ月の間に経験した不安や葛藤、成長が早い子への嫉妬の気持ち。私にはそれらを無かったことにして「きっと大丈夫」とは言えそうもありません。
唯一、私に言えることは”夫婦で共通の意識を持つべき”だということ。
どのような形で子供の成長と向き合っていくか?に関して、妻とは何十時間、何百時間と意見交換を繰り返してきました。
長い目で、子供の成長に寄り添ってあげるためにも”もしかして”と”きっと大丈夫”を夫婦で共有してください。