普段は凄く優しいお兄ちゃんなのに、下の子(0歳)がおもちゃを手に取ると豹変。上の子(3歳)は「お前のおもちゃは俺のモノ、俺のおもちゃは俺のモノ」と言わんばかりの行動を繰り返してきました。
「お前はジャイアンか!」って笑ってあげられる余裕はなくて、2ヶ月もの間、色々な方法を試したけど上手くはいかなくて、その度に上の子を叱ってしまう自分が大嫌いでした。
同じような悩みを抱える人のために『上の子が下の子におもちゃを貸してくれるようになった方法』を一例として書き残そうと思います。
知っておきたい上の子の考え
上の子を叱った回数よりも遙かに多い回数、下の子におもちゃを貸さない理由を問いただしました。
3歳になったばかりの上の子は、その度に『自分なりの精一杯の言葉』で理由を教えてくれました。上の子には「上の子なりの理由」がありました。
「今遊んでいないから」という発想はない
上の子がブロックで遊んでいる隙に、下の子は部屋中に散らかったトミカの1台を掴んで遊んだり(振り回したり、口に入れたり)します。
「貸して」⇒「いいよ」というやり取りはないので、上の子に気付かれるまでの間、下の子はトミカで遊ぶことができます。しかしながら、上の子に気付かれると自由時間はお終い。
「ボクの!」って言いながら、凄い速さでトミカを奪い取られてしまいます。
親の「ブロックで遊んでるねんから、トミカは貸してあげたら良いやん」に対して、上の子は「これは自分のおもちゃ」や「これから遊ぼうと思ってた」と言って聞いてはくれませんでした。
「みんなのおもちゃ」という発想はない
下の子が生まれるまで(0歳~2歳)の間、家にあるおもちゃは全部自分のおもちゃという環境で育ってきたのだから、これはある意味、仕方のないことなのかも知れません。
親が「おもちゃはみんなで遊ぶもの」と言っても、上の子は「ボクの!」と言って聞いてはくれませんでした。これは下の子に対してだけではなくて、親戚の子どもが来ても同じでした。
全部がそれぞれ1つしかない大切なおもちゃ
親が「トミカはいっぱいあるねんから、1つ貸してあげて」と言っても、それはあくまでも親の価値観でしかなくて、上の子は絶対に貸してはくれません。
親にとってはトミカという括りですが、上の子にとっては「全部がそれぞれ1つずつしかない、大切なおもちゃ」なんです。
これに気付いてから、上の子を叱る回数がグッと少なくなりました。
上の子を叱っても何の効果もなかった
「下の子が遊んでるのに何で奪い取るの」って、「下の子にもおもちゃを貸してあげて」って、何度叱ったかわかりません。「もう良い」と吐き捨てて「貸してあげないなら、おもちゃを全部捨てる」と怒ったこともあります。
しかしながら、上の子を叱ることに何の効果もありませんでした。
ただただ、上の子を悲しませて、親を自己嫌悪に陥れる行為でしかありませんでした。
おもちゃを貸してくれるようになった方法
上の子が嫌な顔ひとつせずに、下の子におもちゃを貸してくれるようになった方法は、親として本当に意図しないものでした。
初めて下の子専用のおもちゃを購入
下の子が二度目の入院から退院してきたとき、入院中の病室で夢中になって遊んでくれたアンパンマンおもちゃをプレゼントしました。
「上の子に買ったけどそんなに遊ばなかったから」や「上の子に買ったおもちゃがあるから」という理由でおもちゃを買ってもらえなかった下の子にとっては初めての『自分専用のおもちゃ』です。
下の子のおもちゃで遊びたくて仕方ない上の子
下の子にとっては「初めて買ってもらった、自分専用のおもちゃ」ですが、当の本人はそんなことを理解できる月齢ではありません。
部屋の中にある大量のおもちゃの中の1つでしかありません。
しかしながら、上の子にとっては「初めて目にする、自分専用ではないおもちゃ」です。
親から「これは下の子のおもちゃ」と言われるけど、当の本人は新しいおもちゃで遊びたくて仕方ありません。「袋を開けてあげる」や「遊び方を教えてあげる」と必死でした。
「貸してもらう」ということを上の子に教えた
私は嫌な性格の持ち主なので、今まで散々下の子からおもちゃを取り上げてきたという事実を基に「これは下の子のおもちゃやから、勝手に遊ばないでね」と言ってしまいそうでしたが、そんなことを言っても仕方ありません。
今の状況は『貸してもらう』を教えるチャンスと自分に言い聞かせて、上の子に「これは下の子のおもちゃやけど、まだ遊び方がわからないねん。お兄ちゃんに貸してあげるって言ってるから、一緒に遊んであげてくれる?」と聞きました。
上の子はキラキラが目から飛び出そうなくらい、目を輝かせながら「うん!」と言ってくれました。そして、一緒になって遊んでくれました。
上の子は親が思う以上に言葉を理解しているので、ちゃんと「貸してもらう」と「貸してあげる」を教えました。2つを併せて「一緒に遊ぶ」だと伝えました。
上の子に「貸してあげて」を強要しない
上の子が本心でどう思っているのか?を知る術はありませんが、下の子におもちゃを貸してもらうという出来事以来、自分のおもちゃを下の子に貸してくれるようになりました。
テンションが上がりすぎて押さえが効かず、親の目に「あっ、今のは奪い取ったな」と映るときはありますが、1つも貸してくれなかった時を思えば些細な出来事。見ないふりをしています。
もちろん、上の子が夢中で遊んでいるおもちゃを指さして「優先的に下の子に貸してあげて」なんてことは言いません。
上の子が遊んでいないおもちゃであれば、下の子に貸してくれるようになった。それだけで、今の私にとっては十分過ぎる子どもの成長です。
下の子が大きくなったらまた考えよう
下の子はまだ0歳9ヶ月なので、遊んでいるおもちゃを取り上げられたら泣きはするものの、「絶対にそのおもちゃでないといけない」というこだわりはありません。上の子との折り合いが付かなければ、他のおもちゃを渡してあげれば楽しそうに遊んでくれます。
後半年もすれば、下の子なりの感情表現がでてくるでしょう。上の子と下の子で1つのおもちゃを取り合い、ケンカするときだってやってくるでしょう。
そんな時、親としてどういう態度を取れば良いのか?はまだわかっていませんが、先の心配をしても仕方ないので、そうなったら、そうなったときに考えようと思います。
今はただ、上の子の成長を素直に喜んで、褒めてあげたいなと思います。