3歳児にとっての”遊び”は心と体の成長を促す重要な役割を担っています。
家事の間に見せていたYOUTUBE動画の影響を受けて、話す言葉や内容に変化が生まれるくらい、3歳児は多感な時期を過ごしています。
3歳の子供を育てる親として、嫌というほど色々な遊び方を模索してきたので、知育や発育、手先を使った遊びや雨の日の室内遊びなど、目的から選べる全20種類の遊び方をまとめました。
3歳児が遊びを通じて学ぶこと
1歳よりも2歳、2歳よりも3歳、親の目から見ても「成長したな」と感じる機会は増えていきますが、そんな成長を最も感じているのは3歳児自身です。
自分に”できること”と”できないこと”を判断することよりも、好奇心の方が遙かに勝ってしまう時期なので「何でも自分でやりたい」という要求をひとつずつクリアしながら運動能力と想像力を高めていきます。
周りから押しつけられるのは大嫌いで、自分から進んで行動することを望む時期なので、何にでもチャレンジしながら、周りの人に褒めてもらえることを自分の”自信”と”経験”に変えて知的好奇心を満たしていきます。
弟や妹ができたり、保育園や幼稚園でお友達ができたり、大人以外と接する機会がどんどん増えてくることで”周りの人の気持ち”や”相手の気持ち”を少しずつ理解しながら社会性を身に付けていきます。
3歳児の要求には危険なことも含まれているので、親にとっては”物事の良し悪し”を教える大変な時期とも言えますが、経験を吸収しやすい多感な時期だからこそ、親は子供の成長をサポートしてあげるべきです。
3歳児の運動能力を高める遊び
幼児期(1~6歳)は、バランス感覚などの神経系が育つ大切な時期です。この時期に積極的に体を動かした子供は児童期 (7~12歳)になっても運動能力や体力が伸びやすく、物事に取り組む積極性や意欲の高い子どもに育つといわれています。
そのため、最近は”動育”を推奨する人が増えてきました。”動育”という言葉を聞くと「何かしないといけないの?」と思ってしまいがちですが、幼児期に必要な運動は思い切り遊ぶだけで良いんです。
滑り台やブランコで遊具遊び
公園の遊具には子供の成長を促してくれる工夫がたくさん盛り込まれています。全身を使って遊ぶことで運動能力を高められる他、ブランコや一本橋などの揺れる遊具はバランス感覚を鍛えることができます。大型の遊具では遊び方を考えることで発想力を伸ばすことができます。
雨の日は室内ジャングルジム遊び
パパの部屋を無くすだけで、自宅でも子供に体を使った遊びをさせてあげることができます。雨の日は子供の体力が有り余って困る…。という人には特におすすめです。
投げたり走ったりのボール遊び
投げたり、蹴ったり、追いかけたりの動作を通じて体の動かし方を学べる他、ボールをキャッチするために動きを予測する力を身に付けることができます。遊具遊びと違って、パパやママと一緒になって遊ぶことができるので、ウチの子供も大好きな遊び方のひとつです。
雨の日は室内ボールプール遊び
1歳、2歳に強くおすすめしているボールプールですが、室内ジャングルジムと併設することで3歳児も十分遊ぶことができるアイテムです。
自転車やストライダーを使った遊び
公園に出かけると必ず見かけるほど有名になったストライダーは、子供のバランス感覚を鍛えるのにもってこいのアイテムです。スピードを出しすぎたり、転んだりすることで”危険”を学ぶことにも繋がります。
ブレーキや灯火類がついていないため、公道走行が禁止されている点だけ注意してください。
全身を使うトランポリン遊び
トランポリンはとても運動効率が高く、筋力やバランス感覚、体幹を鍛えることができます。多くのアスリートがトレーニングに取り入れている他、最近ではダイエットグッズとしても注目を浴びるほど、トランポリンは遊びながら成長を促せるアイテムです。
パパと子供の体操教室遊び
寝室に布団を敷き詰めたままにするだけで、天気に関係なくパパと子供の体操教室を開くことができます。でんぐり返しをしたり、3点倒立をしたり、子供の両手を掴んでパパの体をよじ登らせてあげたり。特別な機材やお金をかけることなく、全身を使って遊ばせてあげることはもちろん、パパと子供の貴重なスキンシップになるので特におすすめです。
3歳児の想像力を刺激する遊び
幼児期から”イメージ”する力を伸ばしてあげると、想像力の豊かな子供に育つといわれています。相手の気持ちをイメージする力にも繋がるため、社会性を高めることにもなります。
かくれんぼ
かくれんぼは場所や天気の影響を受けない数少ない遊びのひとつです。3歳児のかくれんぼはルール無用なケースが多いですが、隠れる側と探す側が必要な遊びなので、子供にとってはパパやママと一緒になって楽しめる遊びです。
お絵かき
紙とペンを渡して好き放題書かせてあげるだけが、お絵かきではありません。ママが書いた枠を子供が塗りつぶす練習をしたり、ママが書いた線を子供がなぞる練習をしたり。お絵かきは手先の器用さと想像力を育てられる遊びです。
ねんど遊び
ねんど遊びは指先や手の感覚を育ててくれる他、子供の想像力を強く刺激してくれる遊びです。3歳児は押しつけられるのが嫌いなので「〇〇を作って欲しい」よりも「何を作ってくれるのかな?」「これは何を作ったのかな?」の方がより楽しそうに遊んでくれます。
子供はすぐに色同士を混ぜて汚い単色ねんどになってしまったり、出しっ放しですぐ硬くなってしまったりするので、手作りねんどをおすすめする人もいますが、手作りねんどは数日でカビが生えてしまうので、安価なねんどを買うことをおすすめします。
シャボン玉遊び
初めてシャボン玉遊びをしたときのキラキラした子供の表情は今でも忘れられません。お風呂場で遊ぶこともできるので、冬の寒い日に湯冷めしない程度に温もって欲しいときなどにも重宝します。
シャボン玉液は手作りしよう
シャボン玉液の材料は3つ。
- 水:200ml
- 台所用洗剤:10ml
- 砂糖:10g
お鍋に水200mlを入れて沸騰させた後、ぬるま湯になるまで冷まします。ぬるま湯になったら砂糖10gを入れて溶かします。砂糖が溶けたら台所用洗剤10mlを入れて”泡立てない”ようにゆっくりと混ぜ合わせます。容器に移し替えればシャボン玉液の完成です。
ごっこ遊び
ごっこ遊びは子供の興味や関心を模倣することで想像力を最大限に刺激する遊びです。何時間も付き合わされる親は疲れるばかりですが、子供の成長には欠かせない遊びのひとつです。
親の生活を真似するままごとから、子供向け番組やアニメの登場人物、警察官や消防士さんなどの職業、動物や植物、怪獣や幽霊など架空の存在であったとしても、子供の興味や関心が向くものであれば模倣する対象は何だって構いません。
お砂遊び
砂場の衛生面が気になってしまう人は少なくないですが、管理が行き届いた大きな公園にいくと最低限の衛生管理がされた砂場で遊ばせてあげることができます。砂場セットを使って遊ばせてあげるのも喜びますが、お砂の中に石やドングリなどを隠して、見つけ出す遊びなど一手工夫加えることで更に楽しく遊んでくれます。
はさみを使った遊び
はさみは危ないからといって、ずっと触らせないわけにはいきません。「ママと一緒に使うときだけ」というルールを決めるなど、子供の安全を確保したうえで遊びの一環として”安全な使い方”を教えてあげましょう。
はさみの使い方を一緒になって教えてあげられる本を使うことで、はさみの使い方や指を切らない方法などを教えてあげることができるのでおすすめです。
折り紙を使った遊び
3歳児に鶴や手裏剣を折ることはできませんが、赤色の折り紙をクシャクシャっと丸めるだけでトマトやリンゴになります。黄色の折り紙を細く丸めるだけでバナナになります。自分が作った形から物を想像する力、想像した物を創作する力が身に付く遊びです。
遊び終わったクシャクシャの折り紙は、捨てるのではなく、はさみを使って好きな形に切って保管しておくことをおすすめします。
のりを使った遊び
のりを塗った画用紙の上から、はさみで切った折り紙をパラパラと降らせるだけで、3歳児にとっての超大作アートができあがります。こどもチャレンジのしまじろう、Amazonプライムビデオのクリエイティブ・ギャラクシーが教えてくれた遊びですが、ウチの子は「アート」という響きが好きみたいで何度でも繰り返し遊んでいます。
手を使った影絵遊び
シルエット博士のお陰で影を使った高度な遊びが求められるようになってきましたが、影遊びの原点はやっぱり手を使った影絵遊びです。片手で簡単にできるキツネや両手の定番であるカニなど作って、ライトを当てて壁に映すだけで子供は大喜び。同じ手の形を作ろうと必死に手先を動かしている姿は成長を感じずにはいられません。
絵本を使った遊び
絵本に登場する動物が泣いているなら「何で泣いてるのかな?」と問いかけたり、楽しそうに笑っているなら「どうして笑っているのかな?」と問いかけたり。何度も読み聞かせて興味をもってくれなくなった絵本でも、工夫することで子供の想像力をかき立てる遊びに使うことができます。
何度も読み聞かせていると覚えた内容を基にして、3歳児の想像力をフル活用して絵本を読んでくれるようになります。ギリギリ内容が伝わるレベルで読み聞かせてくれるようになったときの喜びは特別なものがあります。
3歳児の知的好奇心を満たす遊び
好奇心を持つ人の人生は経済的にも精神的にも豊かになると言われています。情報で溢れかえった時代だからこそ、知的好奇心(知識と理解を深めたいという欲求)をもつ人ほど幸せな人生を送れるというのは、あながち間違った解釈ではありません。
子供の好奇心は才能に依存するものではありません。周り(親)がどれだけ子供を支援してあげるかということが、大きく影響します。
時計を使った数字遊び
時計と時間に興味をもったときは、親にとっては数字を教える大チャンス。パパが「もう〇時だから」と指さす先にある時計に興味をもった3歳児は、百均で数字を取り外せる時計のおもちゃを買ってあげるだけで1週間とかからずに1~12までの数字を覚えてくれました。
他の物に気を取られないお風呂で1の数字を手にとって「これは1です」と教えることから始めて、慣れてきたら「これは何の数字ですか?」に変えて、最後は数字を並べて「1はどれですか?」と質問してあげるだけなので、子供が数字に興味をもったら是非おすすめしたい遊びです。
記憶を引き出す音あてゲーム
3歳児が大好きな働くクルマのサイレンや、動物の鳴き声、大好きなおうたの歌い出しなど、子供が知っている”音”に関わるクイズを投げかけてあげる遊びは、記憶の引き出しを開ける練習にも繋がります。
「これは何の音?」のクイズを出す側と出される側を交代できるようになると、子供の発想力を更に伸ばしてあげることができるので、初めから楽しそうにクイズを投げかけることが成功の秘訣です。
新しい遊びを作り出す宝探しゲーム
木々の多い公園なら「ドングリを探そう」だったり、川が流れる場所なら「大きな葉っぱを探そう」だったり、自宅なら「赤いおもちゃを3つ探そう」だったり。身近にある物を”探す”という行為は子供の探究心を刺激して知的好奇心を満たしてくれます。
見つけた宝物を使って新しい遊びを作ろう
大きな葉っぱはお船の形にして川に流して追いかけて遊んだり、見つけたドングリは家に持ち帰って、頭の白い部分に爪楊枝を差し込むだけで手回しコマになります。手足として爪楊枝を差し込んだドングリを子供に渡して、マーカーペンで目を書かせてあげれば人形になります。
完成したおもちゃを買いあたえることも悪いことではありませんが、子供の目の前で新しい遊びを作る様を見せることは、子供にとって成長のキッカケになります。
形と物を結びつける連想ゲーム
どうしても子供が暇を持て余してしまうクルマや電車の移動中は、空に浮かんでいる雲を見ながら「あれは何の雲かな?」と形から動物や物を連想するゲームがおすすめです。子供の豊かすぎる発想力によって連想される物は親の予想を遙かに超えていて、可愛くも関心しながら遊ぶことができます。
パパやママのお手伝い
3歳児は「親と同じことをしたい」という思いが強いので、好奇心を最大限に満たしてくれるのは、やっぱり親のお手伝いです。
- お皿を運んでもらったり
- 机を拭いてもらったり
- 掃除機をかけてもらったり
- 洗濯物をたたんでもらったり
- 買い物袋をもってもらったり
- お花の水やりをしてもらったり
子供に”役割”と”ルール”を与えてあげることで、子供は色々なことを体験して、予想と現実の不整合を蓄積していきます。それらの経験を基にして、多数に向けられていた好奇心の中から更に深く知りたい、学びたいという欲求が湧いてくることになります。
3歳児に社会性を学ばせる遊び
小学校教員を対象にした調査の研究結果として、学校生活で成功を収めるために必要な社会性スキル10項目が上げられていました。
- 人の話を聴く
- 段階を踏む
- 規則に従う
- 気が散るものを無視する
- 助けを求める
- 順番に話す
- 人と仲良くする
- 人に怒らない
- 自分の行動に責任を持つ
- 人のためになることをする
いずれも当たり前に大切なことだと思いますが、3歳児に求めるべきものではありません。
普段の生活や家庭環境では得られない刺激を受けられる場所(動物園や水族館、虫捕りや魚釣りなど)に子供を連れ出してあげること。子供の知的好奇心をくすぐる場所で色々な人がいて、色々な物があるということを教えてあげることで学ぶことはたくさんあります。
遊びの一環として、親が子供の興味に寄り添ってあげることが、何より子供に社会性を学ばせることに繋がります。
3歳児におすすめの遊び/まとめ
3歳児は”遊び”を用いることで、驚くほど早いスピードで成長していきます。自発的な「やりたい・知りたい」に勝る行動意欲は他にありません。親は「自分でやった方が早いから」と思ってしまいがちですが、子供を育てることに繋がることを意識して、子供の自発的な行動をできるだけ妨げずに済むよう工夫してあげましょう。
昔読んだ育児書には「トランプにハートがあることを知らなければ、子供はハートのトランプを選べない。13があることを知らなければ、子供は13のトランプを選べない。だから、親は子供の可能性に繋がる1つでも多くの選択肢を与えてあげなければいけない」と書かれていました。
幼児期は子供の可能性・選択肢を広げてあげられる貴重な時期だからこそ、色々な場所に連れ出して、色々な景色や物を見せてあげて、色々な経験を積ませてあげるべきだと言えます。
危ないことを避けるのではなく、危ないと教えてあげる。できないときはサポートしてあげて、できたときにはたくさん褒めてあげる。それができるだけで、子供の可能性はどんどん広くなっていきます。
あとがき
運動能力だ、発想力だ、社会性だと小難しい言葉を並べてはいますが、子供と遊ぶときにそんなことを考えている訳もありません。ただ、真剣に3歳の子供と向き合って、全力で一緒になって遊ぶだけで、子供は色々なことを吸収しながらスクスクと大きく成長していってくれます。
なので…全力で遊んであげましょう!