ここ数年、サラリーマンの給料と副業で稼いでいる収入に大きな差が無い。
- 子どもの体調が悪いとき
- 育児休暇を取得したとき
- 家族の関係が良くないとき
- 社内で揉め事が起きたとき
- 転勤の可能性がでたとき
ことあるごとに、サラリーマンという縛られた生き方に嫌気がさして、その度、フリーランス(自営業)という生き方を天秤にかけてきた。
言い方は悪いけど、ずっと「別に会社をクビになっても食うに困らないから良い。自分の力だけで家族を養っていくことだってできる」と思ってきた。
それでも、悩みに直面する度にボンヤリと、何となく、収入の安定という言葉に流されながら、サラリーマンという生き方を選んできたけど…。
家族全員が体調を崩したとき、心の底からサラリーマンで良かったと思った。
仕事と家族は2つでワンセット
仕事と家族は、どちらか一方でも欠けてしまうと意味を成さない。片方だけではその価値を大きく下げてしまう。最悪の場合、何も意味も持たないものになってしまう。
仕事(お金)がなければ子どもを育てることはできないし、家族を養うことはできない。
家族がいないのであれば、仕事なんて面倒臭いことを続ける気にはなれない。
私のケースに当て嵌めて、家族のために仕事をしているという書き方をしたけど、自分が望む現在、未来を実現するためには、少なからずのお金が必要。望む物が家族の幸せだという人もいれば、旅行だという人もいれば、貯金だという人もいる。
そして、お金を稼ぐためには仕事が必要。
だから、仕事と家族は2つでワンセット。
急事に陥って問われる働き方
下の子の発熱をキッカケに、家族4人(私、妻、2歳児、0歳児)のいずれか2人以上が何かしらの体調不良に悩まされるという状況が1ヶ月以上続いた。
下の子に限っては急性気管支肺炎と診断されて8日間も入院することになった。
そんな生活を送っていると、イヤでも脳裏に浮かぶのが『仕事と家族、どちらを優先するべきなのか?』ということ。
親が出すべき答えは『家族を優先』なのかも知れないけど、親が取るべき行動は『妥協点を見つけ出すこと』になる。
「仕事か家族のどちらか1つを選ぶ」という行為は、最終手段として取っておかなければいけない。
サラリーマンだから急事を乗り越えることができた
私は有給休暇という制度自体が嫌いだった。
取得を申し出ると「何のために?」と理由を問われ、日にちを指定すると「仕事の都合は?」と取りにくい空気をにじみ出され、同僚からは「あいつばっかり」と嫉まれる。
法律でどう決まっていようとも、私の勤める環境では、会社から有休の取得を強要されることなど絶対にない。取得したいと言ったもん勝ち、言わない、言えない人が損をする制度だから嫌いだった。
会社に相談して妥協案を模索
大企業と違って、中小企業は人が少ない。
メリットは上役との距離が近いこと。デメリットは人の少なさから、代わりになる人がいないこと。それらのメリット・デメリットを踏まえた上で、会社に相談することにした。
私からの要望(お願い)は1つだけ
私の要望は『入院期間中、毎日、子どもの面会(15時~19時)に行ってあげたい』という1つだけ。
それができるのであれば、始発で出社して仕事をするのも構わない。面会が終わって帰宅したあと、自宅で夜中まで仕事をするのも構わない。
そう伝えた。
会社の反応と対応
直属の上司は、入院7日目と重なる日に予定しているシステムのデモ(東京出張)に付随する仕事だけは代わってあげられないから、それだけは何とかお願い。その他の仕事は何でも代わってあげるから。と言ってくれた。
社長は、仕事のことを1つも口にすることなく、家族を優先して良いと言ってくれた。更に、病院の斡旋や病状の改善策などを調べて共有してくれた。
無事に急事を乗り越えることができた
入院期間中は平日、休日問わず朝早くから出勤して仕事をした。そして14時になると退社して19時まで子どもの面会。家に帰って家族のケアをしたあと、夜遅くまで仕事をした。
削れるところは睡眠時間しかなくて、ほとんど寝ていない生活が続いたけど、全て自分が望んだ形であることから、文句ひとつ思い浮かべることなく、8日間続いた急事を乗り越えることができた。
フリーランスだったら仕事は放棄していたと思う
自分の裁量次第で全てを回すことができるフリーランスだったとしたら、私には「仕事を放棄してでも、ずっと子どもに付き添ってあげる」という選択肢しか思い浮かばなかったと思う。
事実、家族全員の体調不良が始まってから約1ヶ月の間、自分の裁量で全てを決めることができる副業の仕事に関しては、全てお休みをいただいている。
サラリーマンとして働いているからこそ、給料を得ながら、自分が望むこと(家族のケア)をしてあげることができた。そう思っている。
私みたいな人間には雇用契約という鎖があって丁度良い
私みたいに「0か1かでしか物を考えられないタイプの人間」は、全てが自分の裁量次第なのであれば、どちらか片方に100%を注いでしまう。
例えそれが大きな後悔を生む行為であったとしても、そんなことは気にもしない。目の前で起きている子どもの急事を優先してしまう。
『自分の裁量だけで決められること(家族)』と『自分の裁量だけでは決められないこと(仕事)』の間に挟まれているからこそ、中間点や妥協案を模索することができる。
自分で言うのは少し変かも知れないけど、私みたいな親は『雇用契約という一種の鎖を身に付けて丁度良い』くらいになる。
まずは会社に相談してダメなら辞めれば良い
「子どもが病気で、でも仕事は休めない」という泣き言を吐いたとき、他人事という前置きを挟んだうえで「子どもの命よりも家族の健康よりも大事な仕事ってありますか?」という、ぐうの音も出ないド正論を投げかけられた。
これは本当にその通りで、最終的に親が出すべき答えは『家族を優先』で間違いない。
その結果、仕事をクビになるかも知れないけど、それはもう仕方のないこと。世の中には、子どもが患った病気などを理由に転職や引っ越しをしている人だっている。
ただし、行き着く先が「仕事を辞める」という答えしかないのであれば、辞める前に、何とか双方の要望(仕事と家族)を両立することはできないか?と会社に相談してみるべきだと思う。
今回は私にとって都合が良い答えを会社が返してくれたけど、必ずしも毎回同じ答えが返ってくるとは限らない。本気で相談してダメなら、そのときにまた考えれば良い。
サラリーマンとして働くからには、サラリーマンとしての特典も有効活用していかなければ勿体ない。
仕事と家族を天秤にかけるのは終わりにしよう
「下の子が死ぬかも知れない」と感じたとき、仕事を投げ出して家族だけを選ぼうと考えたこともあったけど、仕事を投げ出すことで被害を受けるのは自分だけではなくて、残された家族(妻、上の子)も少なからずの被害を受けることに気がついた。
だから、家族だけに100%を注ぎ込むのではなく、仕事も頑張った。どちらか一方を捨てることなく、両方を守り抜くことができたから、今の家族の笑顔がある。
事ある毎に「仕事を選ぶか?家族を選ぶか?」で悩んできたけど、これからは「両方を大切にしながら、必要に応じてバランスを調整」していくことに決めた。
私の人生にとって家族の存在は必要不可欠。家族を笑顔にするためには少なからずのお金が必要。だから私は家族7割、仕事3割くらいの気持ちでどっちも頑張る。