将来は学校教員になろうと思っていた私。
中学時代に通っていた学習塾の塾長に恩返しがしたくて、殆ど無償で塾の講師を始めた。
良い先生の条件は「如何に解りやすく生徒に物を伝えるか」。
そう思っていた私は、物を伝えるという事を題材にした文献を多く読み漁り、勉学に限らず物を教える事を生業にしている方にアポイントメントを取り、色々な方からお話を聞いて回った。
解りやすさを追求した授業の評判は高い
解りやすく生徒に物を伝える事に特化した私の授業は生徒からの評判も良かった。
当日行う小テストの成績も殆どの生徒が満点に近い点数を上げてくれる様になり、塾内で私の評価はドンドン上がっていった。
解りやすい(だけ)の授業では結果が出ない!?
そして迎えた中間テスト。生徒の成績表を見て愕然とする。あれだけ良かった小テストの結果が嘘の様に、殆どの生徒がクラスの平均点程度の点数しか取れていなかった。
生徒の点数が伸びないのは自分の授業内容に問題があると判断した私は、塾長の下へ行き何がいけないのかを問うた。塾長の解答は「今はそれで良い」ひと言だった。
「何故授業終わりにこれだけ理解している生徒が本番では点数が取れない?」
どうにも納得のいかない私は毎日自問自答を繰り返した。
記憶に残らなければどんな授業をしても同じ
中間テストから数週間後、ふと思い立って塾のルールを無視して【いつもの小テスト】では無く【過去に行った小テスト】を出してみた。
結果、全員が前回の7割程度の点数しか取れなかった。
私の疑問は確信へと変わった。
生徒は授業を受けたその場では理解した気になっている。だから小テストでは良い点数を取る事が出来る。しかし「所詮は理解したつもり」再度自分の中で煮詰める事をしないので記憶には定着せず、結果として後日行われる中間試験では良い点数を取る事が出来ない。
生徒の頭の中に「私の解答」は存在するが、「自分なりの解答」が存在しないのだ。
勉強を教えるという考え方は捨てろ
完全に方向性を見失った私は中学時代に恩師が自分に対して行ってくれていた事を思い返した。
確かに勉強は解りやすく教えてくれた。でもなんで?根っからの面倒臭がりで勉強嫌いな私が授業の後、一人塾に残って追加で勉強していたのだろう?
答えはそこにあった。
塾長は私に勉強を教えるのでは無く、自発的に勉強をする為のサポートをしてくれていたのだ。
相手の本気度・熱量を上げろ
教わる事に対して本気になっていない人には何を教えても、効果は得られない。
これは学業だけでは無い。仕事やブログ運営、その他人間の行動全てに言える事。
- 野球に興味が無い人にフォークボールの握り方を説明して覚えてくれるか?
- 洋服に興味が無い人にレギンスの選び方を説明して覚えてくれるか?
- 筋肉に興味が無い人に上腕二頭筋の説明して覚えてくれるか?
言い方を変えれば「学ぶ気が無い・覚える気が無いヤツには何を言っても無駄」という事。
仕事でなければ「やる気が無いなら帰れ」と言って仕舞えば良いのだが、塾の講師が求められる結果は【成績アップ】切り捨てる事は出来ないので生徒の本気度・熱量をあげてやる必要がある。
本気度・熱量を上げる為には勉強する理由を作ってやれ
相手は多感な年頃の子供達。
当然生徒毎に本気度・熱量を上げる方法は違うが共通しているのは【勉強する理由】を作ってやれば良いと言うこと。試しに期末テストで8割取れたらご褒美何欲しい?と聞くと
- 1回塾をサボる権利が欲しいと言う生徒
- 携帯番号を教えてくれと言う生徒
- 恋愛相談に乗って欲しいと言う生徒
- マクド奢ってくれと言う生徒
流石は学生。可愛い願いばかりと思いきや、ストレートに付き合ってくれと言う生徒も居たり、絡まれたら1回助けに来てという意味不明なお願いまで出て来た。
相手の本気度・熱量があれば後はケアしてあげるだけ
当然、対価が得られなければ勉強が出来ないというのは褒められた物では無いが、「そもそも勉強が出来ない」という事よりは幾分も生徒に取ってはプラスだと考えている。
初めは対価を求めて行っていた勉強も、結果が出れば【やれば出来る】と気付いて自主的に行動を起こすようになる。そうなれば塾講師としての仕事は簡単。
答えを教えてあげるのでは無く、答えを導き出すために必要な情報を教えてあげるだけ。
後は与えられた情報に生徒の知識を加えて「自分の物」にしてくれる。
どちらかというと最重要事項は外的要因から精神面が揺らぎやすい年頃の生徒。各自の動向を観察しつつ、揺らいでいる時には誠心誠意相談に乗ってやれる関係作り。
これは生徒と同じ目線で話をしなければ実現出来る物では無いので、ある程度の慣れが必要かと思うが必ず出来る物である。
人に勉強を教える極意!まとめ
- 勉強を教える前に信頼関係を構築する
- 生徒が勉強する理由(キッカケ)を与えてやる
- 勉強はやれば出来るを生徒に気付かせる
- 精神的な揺らぎを関知してケアしてやる
- 答えでは無く答えに導く指導を行う
まとめるとこんな感じ。3番目まで辿り着く事が出来れば、後は生徒自身の力で勝手に伸びていってくれます。
生徒の力を信じて、生徒を導いてやる
それが塾講師時代に私が学んだ人に物を教える極意です。
長文、読んでいただきありがとうございました♪
以下、完全に余談なのでブログ運営に興味が無い方は読まなくて大丈夫かと思います。
余談
記事を書いていて思ったのだがブログの運営も同じ。
週に1人~2人くらいからアクセスアップに関する質問やカスタマイズ方法の問い合わせが来ます。基本的に解る範囲でお答えしてますが8割以上の人が【解答しても実装しない(出来ない)】【悩みが解決すると全く絡んでこない】【何故かこっちが解答待ちの状態で放置】みたいになります。
ブログに対する本気度・熱量の低い「教えられた通りに記事を書けばお金が儲かるから、三十路男に媚びておこう」程度にしか考えて無い人はブログでお金を稼ぐなんて事は出来ません。
善意でアクセスアップのノウハウを教えているだけで、仕事では無いのでアナタ方に対して「本気度・熱量を上げる努力」を私はしませんので、あしからず。
親の監督責任。アナタは逆の立場にたたされた時、同じ事が言えますか?