男性の産後うつと診断され、1度は全てを投げだそうとした。

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妻が息子を出産して間もない頃、私は『男性の産後うつ』という聞き慣れない診断結果を下された。仕事と育児の両立、家族に経験させてあげたい事に対して得られる賃金の少なさ。その他、色々な事が重なり、1度は家族・仕事・生活の全てを投げだそうとしました。

産後うつと診断され男の、リアルな体験談。

着せてあげられなかったウェディングドレス

妻との馴れ初めは既にブログ内に記載しているので割愛しますが、私達夫婦は結婚式を挙げていません。「結婚式を挙げていない」と言えば幾分聞こえは良いですが『妻との結婚・子供を焦るあまり、金銭面に余裕が無い状態で結婚』した為、ウェディングドレスを着せてあげる事が出来ませんでした。

「2人で働いて貯金して結婚式を挙げよう。」なんて、妻は明るく振る舞ってくれて居ましたが、お世辞にも多いとは言えない私の給料。妻もパートに出てくれて居た為、生活するのに困る事はありませんでしたが、それと同時にたくさんのお金を貯金出来る状況ではありませんでした。

不妊に悩みながらも夫婦2人で2年間かけてコツコツ貯めた数十万円のお金。そのお金は『私達夫婦が何よりも望んでいた子供』を産むことに使いました。

私と結婚して妻は幸せなんだろか?何度も巡る想い

私と結婚したばかりに、婚約指輪・婚約ネックレスも貰えず、女性なら1度は憧れるであろうウェディングドレスに袖を通す機会も与えて貰えず。

『私自身がもっとお金を貯めておけば』

『妻にはもっと良い相手が居たんじゃ無いだろうか』

『本当に妻は幸せなんだろうか』

妻の妊娠後、日を追う毎にその思いはドンドン強くなっていきました。

妻の出産で芽生えた2つの想い

芽生えた1つの想いは『命がけで挑んだ出産から、母子共に無事で戻って来てくれてありがとう』という妻に対する感謝の気持ち

 関連 出産に立ち会いした男性の素直な気持ち。ありがとう

そして芽生えた2つめの想いは、頭の中を何度も巡る『私なんかと結婚して、妻は本当に幸せなんだろか?』という疑問を寄り加速させる物でした。

行き着く先は、風俗・不倫・ギャンブル

妻の出産に立ち会い、芽生えた感謝の気持ちとは逆行する感情。

空白の時間を作りたくなくて、何もしていない何も出来ない自分を消し去りたくて、パチンコ・スロットに通い詰める。里帰りしながら初めての育児に奮闘する妻に隠れて。ただ騒音の中に身を置きたいだけ。ハンドルを握りながらスマホ画面を眺める日々。

そんな日々が数日続いた後に芽生える新たな感情。

人生で1度もお客さんとして利用した事が無いキャバクラ、風俗、デリヘル、その他お金をかける事で自身が満たされるのであれば、全てを失っても構わない。相手が自分を必要としてくれるなら、不倫で全てを失っても構わない。

「決して、妻から必要とされていない訳では無い。」

「決して、子供に対して何も出来ていない訳では無い。」

何度も何度も自分自身に言い聞かせながらも、遂に訪れた限界の時。

精神の限界が来る

キッカケは親友から言われた「男性も産後うつになる」という言葉。色々調べて行く中で見えてきたのは『子育てをがんばらなければ、家計を支えていかなければという思いやプレッシャーに潰される男性が増えている』という事。

実際問題、妊娠後妻は家庭に入り家計は私1人の給料で賄う様になっていた。会社に対して「ごめん、足りないから給料上げて」なんて言っても上がる物では無い。ブログ内で何度も書いている通り、苦肉の策として始めたのが副業ブログである。

そんな思いに潰れてしまい、女性関係に走りそうな自分を抑える為に、今までの人生で「甘え」として否定してきたカウンセリングを受ける事にした。

診断結果は、男性の産後うつ

診断結果である「男性の産後うつ」は、近年増加傾向にある。それに伴い産後うつが原因で破綻してしまった夫婦が増えているという事を聞いた。定期的にカウンセリングにかかる事で緩和されていく負の感情。それと同時に積み上がっていく医療費。出産育児にお金がかかり、家に貯蓄が無い事は知っている。

「妻には言えない。」

悩んだ末に私が出した答えは『妻にウェディングドレスを着せたい一心で貯めていた、ブログの収益からお小遣い3万円を除いたお金』これを使うより他に、選択肢は無かった。

今だから書ける、当時のリアルな心情

悩んでいる時には「誰かに認めて欲しい、誰かに必要とされたい。」そんな事ばかりを考えていた。里帰りする事で、実母に支えられながら妻は毎日育児をこなす。仕事終わりに妻の実家に通うも私に出来る事は沐浴だけ。お腹が空いたと泣かれてもミルクを出してあげる事も出来ない。我が子に対して私は何も出来ない。そんな事ばかり考えていた。

定時に会社を出ても、妻の実家に着く頃には21時を過ぎてしまう。仕事疲れを考慮した妻が言う「今日は家でゆっくり自分の体を休めて」という言葉。体調を気遣って言ってくれているのに『アナタは必要無い』に脳内で変換されてしまう。

妻にすら必要とされていない。そんな事ばかり考えていた。

些細な事にイライラする様になってからは早かった。後は、転がり落ちるだけ。仕事が終わりにパチ屋で時間を潰し、缶ビールを買って23時半頃誰も居ない家に帰る。シャワーを済ませてビール片手にスマホゲーム。勝手に眠りに落ちるのを待つ。

最終的には「アナタが必要だと言って貰えない=アナタは必要無いと言われている」という所にまで考えが及ぶようになり、心にポッカリ穴が空いた。穴が埋まるかも知れないと思い、お金で買う快楽に身を委ねてしまおうかと思える程にまで堕ちた。

伝えられる全ての言葉が脳内で変換され「私は妻に愛されていない」と思う様になった。

カウンセリングは心地良かった

弱みの全てをさらけ出せるカウンセリングは心地よかった。

カウンセリングが終盤に差し掛かった頃、二世帯下に住む母に頭を下げて2時間だけ面倒を見て貰い、産後始めて妻を食事に連れ出した。そして産後始めてお互い腹を割って話し合った結果、妻から聞こえて来る声が脳内で他の言葉に変換される事は無くなった。

そして同時に、ブログから得た収益の殆どがカウンセリング費用で消えて無くなった。

あのまま女に走っていたら

全てを投げ出して逃げていたら

息子を手放していたら

妻が私を愛してくれていると解った。それだけで後悔はありませんでした。そして、もっと育児のことを知ろうとした結果が、あの記事でした。

 参考 『育児疲れで晩ご飯が作れない』って妻が言うから実際に検証してみた

これからパパ・ママになろうとする方へ

女性は子供を産んだ次の瞬間から「本当の意味で母親」になる事が出来ます。

しかしながら男性は自身のお腹が痛む訳でも無く、唯一出来るのは目の前で出産の痛みに耐える妻の姿を見つめながら、産まれてくる新しい命を待つ事だけです。本当に無力さを感じます。その為、子供が産まれた次の瞬間から「本当の意味で父親」になれる人は少ないです。

これは出産に立ち会った時に感じた事です。

ついさっきまで自身の命すらも危うかったにも関わらず、全てを忘れて子供が無事に産まれた事を喜ぶ妻。妻の喜びを100とするのであれば、私は子供が産まれた事に対して50しか喜んでいませんでした。残り50は妻が無事で良かったという喜びでした。

出産に対して妻は100喜び、私は50しか喜んで居ない。

そりゃ子供が産まれた瞬間に新米パパ・ママレベルに大きな差が生まれる訳よ。

少し話が脱線してしまいましたが・・・。

寝て起きたら父親としての自覚が沸き上がってきた!(おら、わっくわっくすっぞ)みたいな事には絶対になりません。必ず何かしらのキッカケが必要です。

  • 初めて子供をお風呂に入れた瞬間
  • 奥様から育児を任された瞬間
  • 育児に関して夫婦で真剣に話し合った瞬間

人は皆違う生き物なので正解はありませんが「キッカケを見つけられずに居ると感じたら、キッカケになり得る物を夫婦2人で探す」という事を怠らないで下さい。産後に男性が本当の意味で父親になれる瞬間を上手く見つける事が出来た夫婦は「旦那が育児に参加してくれない」という状況にはなり得ません。

後書き

男性の産後うつがNHKの目に止まり、あさイチに出演しました。自身の情けない過去をテレビで話す行為には、非常に抵抗がありましたし、編集の都合上言いたいことが殆どカットされてしまうという結果に終わりましたが、同じ悩みを抱えた夫婦が、子供の笑顔を奪ってしまうという状況を少しでも改善出来たのであれば、良かったと思っています。

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