『首すわり前の縦抱き』赤ちゃんに与える影響と正しい抱き方

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祖父母世代から「首すわり前の赤ちゃんは縦抱きしない方が良いよ」と心配されることもありますが、最近は新生児でも縦抱きできる抱っこ紐がたくさん販売されています。

 

今回は、かかり付けの小児科の先生から伺った話をもとに、縦抱きが赤ちゃんに与える影響や正しい抱き方、縦抱きして良いのか?悪いのか?について説明していきます。

首すわり前に縦抱きしても良いの?

気持ちよさそうに寝ている赤ちゃん_1

赤ちゃんの首すわり(定頸)時期は、生後3か月で75%、4か月で97%くらいといわれています。身体に比べて頭が大きく頭頸部がグラグラしてしまうため、首がすわるまでは抱っこするのが怖いという人(特にお父さん)も少なくありません。

 

私も1人目のときは、慣れるのに時間がかかってしまいました。

 

短い時間なら縦抱きしても良い

お尻と顎のうしろを両手で固定して、首をしっかりと支えてあげていれば、短時間の縦抱きは赤ちゃんの身体に影響を与えません。

  • 授乳後にゲップをさせるとき
  • 赤ちゃんをあやすとき
  • 赤ちゃんを寝かしつけるとき

縦抱き自体は産婦人科やプレママ教室などで教わる”正しい赤ちゃんの抱き方のひとつ”です。

 

赤ちゃんが嫌がったらすぐにやめる

縦抱きされるのが好きな子もいれば、縦抱きされるのが嫌いな子もいます。

 

赤ちゃんの機嫌が良くなるなら取り入れて、機嫌が悪くなるなら取り入れない。縦抱きは赤ちゃんの成長を促すのに必要な行為ではないので、ムリに縦抱っこする必要はまったくありません。

 

「縦抱きしながら~」は絶対しない

短時間の縦抱きは赤ちゃんの身体に影響を与えないと書きましたが、それは赤ちゃんがしっかりと呼吸できている状況に限った話になります。

 

赤ちゃんには「息ができなくて苦しい」と伝える術がないので「縦抱きしながら~」は絶対に控えてください。赤ちゃんの呼吸には最新の注意を払ってあげてください。

 

縦抱きにはメリットがたくさん

赤ちゃんの手

ふれ合うことで安心感を与えられる

赤ちゃんとふれ合う面が多くなることから、横抱きと比べて十分なスキンシップを取ることができます。暖かさや匂いを伝えることで、赤ちゃんに安心感与えることができます。

寝かしつけ、あやすのに効果的

上の子は2時間と続けて寝てくれなかったので、育児書を読んだりしながら色々な寝かしつけの方法を試しました。

  • 寝具を変える
  • 部屋の照明を変える
  • パジャマを変える
  • 室外の音を遮音する
  • 空調を管理する
  • 入眠の音楽を聴かせる
  • 散歩の時間を増やす…など
子どもが夜中に何回も起きるから出来ることを全部試してみた
ウチの子どもは夜中に何回も起きます。生まれてから1年半の間に朝までグッスリ寝てくれたことが1度もありません。続けて眠った時間の最長記録は3時間ほどで、基本的には毎晩必ず1~2時間おきに泣き叫ぶと同時に目を覚まします。当然、夜中に大きな声で泣...

 

そんな中で、寝かしつけ前に「赤ちゃんの気持ちを落ち着かせる」という効果を最も得られた方法が縦抱きでした。寝かしつけるためではなく、寝かしつけ前に気持ちを落ち着かせて、リラックスさせてあげる効果は非常に高いです。

 

授乳の体勢を変えることで乳腺炎のリスクが低下

乳腺炎が起こる理由のひとつに、おっぱいの飲み残しや偏り(右乳ばかり、左乳ばかりなど)があります。お母さんとしては「赤ちゃんが飲みやすそうにしている体勢で授乳してあげたい」と思って当たり前なのですが、毎日同じ体勢で授乳していると偏りが生じて、乳腺炎になってしまいます。

 

縦抱きで授乳すると、いつもとは違う確度からおっぱいを吸ってもらうことができるので、乳腺炎の予防につながります。

もちろん赤ちゃんにもメリットあり

赤ちゃんの胃は上から下に真っ直ぐ伸びた形をしています。縦抱っこで飲んだミルクは胃に落ちやすい状態になり消化もよくなります。

 

縦抱きはゲップをさせる体勢でもあるので、吐き戻しする回数が少なくなる効果もあります。

 

縦抱きのデメリットは常に意識しよう

赤ちゃんの抱き方(縦抱き・横抱き)に関しては、現代の医学でもエビデンスがない状態ですが、できるかぎり首すわりまでは横抱き(赤ちゃんを横向きにして、股の間に腕を入れる基本の抱き方)が良いとされています。

 

赤ちゃんの身体に負担がかかる(可能性)

「縦抱きは良くない」は昔の考えという人もいますが、首や腰がすわっていない赤ちゃんの身体はぐにゃぐにゃです。

 

赤ちゃんの身体に負担をかけてしまう可能性があるということを常に意識しながら、腰をしっかり固定して、首をまっすぐ安定させて支えてる形で縦抱きしてあげることが大切です。

 

正しい抱き方を理解しよう

気持ちよさそうに寝ている赤ちゃん_2

小児科の先生から教わった、縦抱きの正しいやり方を紹介します。

 正しい抱き方
①赤ちゃんを仰向けに寝かせます
②脇の下から背中にかけて腕を入れます
③手を広げて赤ちゃんの首を支えます
④もう片方の手をお尻の下に入れます
⑤頭の方から赤ちゃんの身体を起こします
⑥お母さんの身体に引き寄せて抱っこします

肩にもたれかかるように支えることで、首すわり前の赤ちゃんでも体勢を安定させることができます。

 

上手くできないときの対処法

正しい抱き方がわかっても、上手くできない場合は下記の方法を試してください。

赤ちゃんを身体で迎えにいく方法

上手くいかない理由の多くは「⑥赤ちゃんの身体を引き寄せる(抱き上げる)のが怖い」という気持ち的な問題になります。

①で赤ちゃんを寝かせる場所を少し高い位置にして、⑥で引き寄せる代わりに、お母さんが腰を曲げる形で赤ちゃんの方に迎えに行ってあげてください。

 

赤ちゃんを仰向けに寝かしている状態で、お母さんはおじぎをするように床と水平に縦抱っこの体勢を作り、腰を伸ばして身体を垂直方向に立てると同時に赤ちゃんを抱きあげてください。

そうすることで「落としてしまうかもしれない」という恐怖心を取り除くことができます。

 

縦抱っこできる抱っこ紐に関する注意書き

両手で赤ちゃんを抱っこ

小児科の先生に「どうしても”縦抱きしなければいけない理由”がないのであれば、縦抱きできる抱っこ紐は使わない方が良い」と伺ったので、私は上の子も下の子も縦抱きようの抱っこ紐は使っていません。

 

首がすわるまえの赤ちゃんの抱っこは大人の両手が基本です。抱っこ紐やスリングを使っていても、手は必ず添えるべきなんです。

 

抱っこ紐はあくまでも抱っこをサポートするための育児グッズで、お母さんの両手を自由にするための育児グッズではありません。そのことを理解して利用するのは問題ありませんが、理解せずに利用するのは避けてください。

 

まとめ

出産に関わる人達(看護師さんや助産師さん)は当たり前のように縦抱きをしています。妻が入院した産院でもそうでした。

 

最近では、お母さんの手によって正しく姿勢を保っている縦抱きは「重力が縦にかかる感覚、腰の上に背骨が乗ってその上に頭が乗る感覚を通して、バランス感覚を学ぶことができる」とまで言われるようになりました。

 

子育ての”当たり前”は昔と今で全然違います。昔は良いとされていたことでも、その後の研究で赤ちゃんに悪影響を与えるという答えがでているものもたくさんあります。

 

昔から言われていることだけを信じるのではなく、自分と同じ世代の子どもを育てる人達の意見なども参考にしながら、自分と自分の赤ちゃんに合った方法を探してあげてください。

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